この記事では、やよいの青色申告オンラインの機能・料金プラン・使い方・他社サービスとの比較についてわかりやすく解説します。同ソフトを利用すれば、確定申告書の提出をオンラインで完結できますが、複数のプランが用意されており、また類似ソフトが他社からも提供されていることから、何を選んだらよいかわからないという方も多いでしょう。やよい類似製品との違い・導入方法もご紹介していますので、申し込みをご検討中の方、初めての確定申告をスムーズに済ませたいという方はぜひ参考にしてください。
この記事からわかること
・やよいの青色申告オンラインの機能と使い方
・料金体系とキャンペーン内容
・やよい、他社の類似ソフトとの違い
・プラン変更、解約方法
やよいの青色申告オンラインとは
「やよいの青色申告オンライン」は、弥生株式会社が販売する個人事業主・フリーランス向けの確定申告ソフトです。プログラムのインストールが不要な「クラウド型」のサービスで、パソコンだけでなく、スマホやタブレット端末でも利用可能です。
視覚的にわかりやすいデザインで、機能も使いやすく設計されているため、簿記に関する知識・経理ソフトの使用経験がなくても簡単に操作できます。
会計ソフト・申告書作成ソフト・e-Taxのように複数のソフトを組み合わせた確定申告書の電子申告は、かなりの労力を要する作業です。
しかし、「やよいの青色申告オンライン」は電子申告の段階でe-Taxの機能を利用しますが、ほぼ同ソフト内の簡単な操作で一連の経理・申告の作業を完結できるため、初心者でも迷うことなく確定申告を進められます。
ソフト利用により、誤った申告のリスクを減らせるとともに、確定申告に関する業務負荷を大幅に軽減できるため、より本業に集中できるでしょう。
やよいの青色申告オンラインの機能
「やよいの青色申告オンライン」は、日々の経理業務や年に一度の確定申告書の作成・申告業務を効率化するための機能に加え、経営分析に役立つ資料の自動作成機能などを有しています。
確定申告書類の作成とe-Taxによる電子申告
表示されるメニューにしたがって操作を進めるだけで、申告に必要な所得額や控除額を自動で計算、確定申告書類を作成できるため、初めて確定申告をする人でも必要な作業をもれなく行えます。また「やよいの青色申告オンライン」から直接e-Taxによる電子申告を行うことが可能なことから、e-Taxで改めて申告作業をする必要はありません。
金融機関との連携による自動仕訳
「スマート取込」の機能が搭載されており、金融機関と連携設定を行うと、銀行口座・クレジットカードなどの明細を自動で取得、AIが自動で仕訳をしてくれます。また紙の領収書をスマホで読み込むと、記載されている文字を認識して、データ変換・自動仕訳が可能です。手入力する取引を大幅に削減できるため、経理作業の効率化につながるでしょう。
会計帳票や分析資料の自動作成
入力したデータをもとに、自動で貸借対照表や損益計算書などの主要帳票を作成・出力できるのに加え、科目別・取引先別の損益レポートが簡単に確認できます。このため、日頃あまり分析資料に慣れていなくても、リアルタイムで経営状況が把握でき、迅速な経営判断を行えます。
確定申告の領収書管理を手間を掛けずに行うためには、購入先を絞り込みたいところです。フリーランス・個人事業主の方におすすめの通販サイトを次の記事でご紹介しています。
やよいの青色申告オンラインの3つの料金プランとキャンペーン
「やよいの青色申告オンライン」では、「セルフプラン」・「ベーシックプラン」・「トータルプラン」の3つのプランが用意されています。
すべてのプランでフル機能を利用可能ですが、サポートの内容が異なりますので、詳しくご紹介します。
(金額はすべて税込)
セルフプラン | ベーシックプラン | トータルプラン | |
---|---|---|---|
料金(初年度)※ | 1年間無料 | 1年間無料 | 13,200円 |
料金(次年度以降) | 9,680円 | 15,180円 | 26,400円 |
確定申告書類の作成 | 〇 | 〇 | 〇 |
e-Taxによる電子申告 | 〇 | 〇 | 〇 |
自動仕訳入力(金融機関連携) | 〇 | 〇 | 〇 |
各種分析資料 | 〇 | 〇 | 〇 |
スマホアプリの利用 | 〇 | 〇 | 〇 |
- サポート - | |||
WebFAQ | 〇 | 〇 | 〇 |
チャット・メールサポート(操作関連) | ✕ | 〇 | 〇 |
電話サポート(操作関連) | ✕ | 〇 | 〇 |
電話サポート(操作・経理申告関連) | ✕ | ✕ | 〇 |
※初年度の料金は、2024年3月15日までの申し込み分に適用。
セルフプラン
「セルフプラン」は、サポートがWebFAQのみに限定された価格設定がもっとも安いプランです。
企業での経理経験者やある程度簿記の知識がある方で、仕訳やソフトの操作に関して特に電話・メール・チャットなどでのサポートが不要という方向けのプランといえます。
2024年3月15日まで「初年度無償キャンペーン」が実施されており、同日までの申し込みで初年度無料となっています。次年度の有償契約(年間9,680円:税込)は必須ではなく、気軽に利用を開始できる点もメリットといえるでしょう。
ベーシックプラン
「ベーシックプラン」は、「セルフプラン」同様、WebFAQを利用できるのに加え、電話・メール・チャットでソフトの操作に関するサポートが受けられます。会計ソフトの利用が初めてで、操作に不安があるという方向けのプランです。
「セルフプラン」同様、2024年3月15日申し込み分まで「初年度無償キャンペーン」が適用され、初年度無料で利用可能です。
トータルプラン
「トータルプラン」は、サポートがもっとも充実したプランで、「ベーシックプラン」のWebFAQ、電話・メール・チャットでのソフトの操作質問に加え、具体的な仕訳・経理業務・確定申告の相談まで可能になっています。簿記も会計ソフトもまったくの初心者で、ソフトの操作方法に限らず、帳簿作成に関して幅広いサポートを受けたいという方に適したプランといえるでしょう。
2024年3月15日申し込み分までキャンペーンの対象となり、「トータルプラン」は通常料金の半額(年間13,200円:税込)で利用できます。
やよいの青色申告オンラインを利用するメリット4つ
「やよいの青色申告オンライン」を利用した場合のメリットをご紹介します。
初年度無料(初年度無償キャンペーン:期間2024年3月15日申し込み分まで)
現在キャンペーン期間中で、「セルフプラン」「ベーシックプラン」の料金が初年度無料です。
特に「ベーシックプラン」は、操作に関してチャット・メール・電話でのサポートに対応しているため、会計ソフトの操作に不安がある方におすすめします。
オンラインで青色申告ができる有償の他社サービスでもキャンペーンが実施されていますが、1年間無料は「やよいの青色申告オンライン」だけで、会計ソフトが初めてという方でも気軽に利用できます。
インストール不要、スマホからも利用可
インターネットに接続する環境があれば、パソコンに限らずスマホやタブレット端末からもソフトの操作が可能です。移動中やちょっとした空き時間を利用して取引の入力ができ、またスマホで撮影した領収書から自動仕訳も行えるため、経理業務を効率化できるでしょう。
またパソコンへの専用プログラムのインストールも不要なため、SSDやHDDなどのストレージ容量を消費しないメリットもあります。
ネット上の情報が豊富で、不明点もすばやく解消
全国の主要な家電量販店・パソコン専門店・ネットショップの実売データをもとに表彰される「BCN AWARD 2023」では、弥生株式会社が「申告ソフト部門」で19年連続19回目の1位を獲得しました。
BCN AWARD 2023結果(集計対象期間2022年1月1日~2022年12月31日)
https://www.bcn.co.jp/press/detail/id=8536
弥生製品に関する情報がインターネット上に豊富にあるため、不明点があってもすばやく解消できるでしょう。
「スマート証憑管理」の機能で電子帳簿保存法に対応可
「やよいの青色申告オンライン」を契約すると、同社が別途提供している「スマート証憑管理」のサービスを無料で利用可能です。
「スマート証憑管理」は、領収書・請求書・納品書などの各種証憑をクラウド上で保存、管理できるサービスで、「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しているため、電子帳簿保存法に対応しています。書類の紛失リスクを減らせるとともに、一元管理できるため、書類保管の手間を削減できます。
「スマート証憑管理」を使用して、領収書を電子データで保存する手順を、実際の画面イメージを交えて次の記事でご紹介しています。
やよいの青色申告オンラインのデメリット
「やよいの青色申告オンライン」は、他の有料の確定申告ソフトと同様に電子申告まで対応しながらも、料金体系は特に低く設定されています。しかし、実際に利用してみて、スマホ機能で他社製品にかなわないと感じる点がありますのでご紹介します。
スマホアプリだけでは、確定申告を完結できない
「やよいの青色申告オンライン」を契約すると、専用のスマホアプリが利用でき、外出先でも「仕訳入力」や「レシート撮影による仕訳登録」が可能です。
ただし、この後ご紹介する「マネーフォワード クラウド確定申告」や「freee会計」のスマホアプリでは、「確定申告書の作成」や「各種分析レポートの表示」もできますが、「やよいの青色申告オンライン」のスマホアプリは対応していません。確定申告の電子申告まですべてをスマホアプリだけで済ませたいという方には不向きといえます。
管理人は、日々の会計処理から分析レポートの確認、確定申告の電子申告まで、自宅のパソコンでゆっくり作業したいため、同様にお考えの方は特にデメリットと感じないでしょう。
次の記事で、「やよいの青色申告オンライン」のスマホアプリの機能(できること)、レシート読み取り性能について詳しく解説しています。
やよいの青色申告オンラインと同社類似ソフトとの違い
「やよいの青色申告オンライン」を販売する弥生株式会社からは、「やよいの青色申告(パッケージ版)」「やよいの白色申告オンライン」「弥生会計オンライン」も提供されていますので、違いを解説していきます。
機能 / サービス名 | やよいの青色申告 オンライン | やよいの青色申告 (パッケージ版) | 弥生の白色申告 オンライン | 弥生会計 オンライン |
---|---|---|---|---|
対象者 | 青色申告承認申請書を提出済の個人事業主・フリーランス | 青色申告承認申請書を提出済の個人事業主・フリーランス | 副業の方、青色申告承認申請書を提出していない個人事業主・フリーランス | 中小企業・小規模法人 |
パソコンへのインストール | 不要 | 必要 | 不要 | 不要 |
対応OS | OS問わない | Windows10・11 | OS問わない | OS問わない |
日々の取引入力 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
金融機関と連携した自動仕訳 | 〇 | 〇※1 | 〇 | 〇 |
紙の領収書から自動仕訳 | 〇 | 〇※1 | 〇 | 〇 |
確定申告書類の作成 | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
e-Taxによる電子申告 | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
各種分析資料 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
スマホアプリの利用 | 〇 | 〇※1 | 〇 | 〇 |
※1 機能を利用するためには、「あんしん保守サポート」への加入が必要です。
やよいの青色申告(パッケージ版)との違い
「やよいの青色申告(パッケージ版)」は、確定申告書類の作成とe-Taxによる電子申告が可能なソフトです。「インストール型」と呼ばれ、パソコンにプログラムをインストール、専用のアプリケーションを利用して、仕訳などの操作を行います。作業はローカルのパソコン上で行うため、通信環境の影響を受けないというメリットがあります。
ソフト自体は買い切りですが、「あんしん保守サポート」に加入することで、「スマート取引取込」の機能・各種サポート・プログラムのバージョンアップが可能になります。
なお、システム要件にて対応OSがWindows10・11に限定されているため、MacOSやiOS・androidなどの端末では利用できない点に注意が必要です。
やよいの白色申告オンラインとの違い
「やよいの白色申告オンライン」は、税務署に「青色申告承認申請書」を提出していない個人事業主・フリーランスや副業の方向けの確定申告ソフトです。「やよいの青色申告オンライン」同様、確定申告書類の作成とe-Taxによる電子申告が可能です。白色申告は、青色申告と比較すると税制上の各種優遇措置が受けられませんが、記帳や確定申告の添付書類が簡略化されているため、事務処理負担が少ないメリットがあります。ソフト自体も白色申告向けにシンプルになものになっており、初めての確定申告でもスムーズに操作可能です。
弥生会計オンラインとの違い
弥生会計オンラインは、中小企業・小規模法人を対象とした会計ソフトです。日常取引の仕訳から各種分析資料の出力・決算書の作成が可能で、弥生の関連ソフトと組み合わせれば従業員の給与計算や請求書の発行もできます。
ただし、法人税の確定申告書作成・申告には対応していないため、弥生会計オンラインを使用して作成した決算書をもとに、自分でもしくは税理士に依頼し、別のソフトで法人税を計算し税務署に申告する必要があります。個人事業主として開始した事業が順調に成長し、法人化する際に導入対象となるソフトといえるでしょう。
やよいの青色申告オンラインの導入方法
ここでは、「やよいの青色申告オンライン」を利用するために準備するもの、導入設定について解説していきます。
事前準備
「やよいの青色申告オンライン」で、e-Taxを利用した電子申告を行うためには、以下の3つが必要です。
・マイナンバーカード
・マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホ
・スマホアプリ「弥生 電子署名」
スマホアプリ「弥生 電子署名」は、e-Taxを利用した電子申告を行う際に、送付データに電子署名をするために必要です。
申込方法
「やよいの青色申告オンライン」を利用するためには、はじめに弥生のアカウントを作成して、弥生マイポータルにログインする必要があります。
ログイン後に画面左メニューの中の「契約管理」をクリックします。
次に「クラウドアプリ管理」を選択すると、「サービスの契約」のメニューが表示されます。
クリックすると新たに契約できる弥生のクラウド製品が一覧で表示されますので、「やよいの青色申告オンライン」の「サービスのお申込み」をクリックして手続きを行います。
導入設定
「やよいの青色申告オンライン」の導入設定として、消費税の納税義務・銀行口座・事業開始時点の残高などを設定します。
消費税の設定
消費税の「課税事業者」か「免税事業者」を選択します。開業初年度は、原則免税事業者のため、通常はデフォルトの設定(免税事業者)をそのまま使用します。
金融機関口座・クレジットカードの設定
事業で利用する銀行口座やクレジットカードの情報を登録することで、取引入力の際に入金口座もしくは支払手段の候補として選択可能です。
残高設定
開業時点で保有している現金預金などの「資産」の金額を残高として登録していきます。普通預金口座を複数利用している場合には、口座ごとに残高を把握、今後取引を入力していくために、普通預金に「補助科目」を設定します。借入金などがある場合には「負債」に登録します。
すべての資産・負債が登録できたら、「資本」の中にある「元入金」を選択し、「元入金を自動計算」をクリックすると資産負債の差額が元入金の金額に自動で反映されます。
フリーランス・法人限定でMicrosoft365をお得に購入する方法を次の記事でご紹介しています。
やよいの青色申告オンラインの使い方
導入設定が完了すると、「やよいの青色申告オンライン」を利用して日々の取引入力が可能になります。ここでは、「3つの取引入力方法」・「確定申告書類の作成」・「確定申告書の電子申告(e-Tax利用)」について解説します。
日常取引の入力方法3つ
「やよいの青色申告オンライン」では、3つの方法から選択して、日々の取引を入力していきます。
かんたん取引入力
「かんたん取引入力」は、簿記・会計ソフトの操作に詳しくない初心者の方でも直感的な操作で、取引の入力が可能な方法です。勘定科目がわからなくても「取引例を探す」ボタンをクリックすれば、取引例が詳しい説明とともに表示されるため、インターネットや書籍で調べることなく作業を進められます。
仕訳の入力
「借方(左側)」・「貸方(右側)」にそれぞれ勘定科目・金額を入力していくもっとも一般的な入力方法です。企業の経理で会計ソフトを利用した経験がある方には一番なじみやすい入力方法といえるでしょう。
スマート取引取込(外部ソフトとの連携・自動仕訳)
金融機関との連携設定を行えば、「スマート取込」の機能を利用して、銀行口座・クレジットカードなどの明細を自動で取得、AIが自動で仕訳をしてくれるため、手入力する取引を大幅に削減できます。
いったん口座の取引をすべて取り込んだ後、必要な取引だけをピックアップして会計に反映することも可能です。
確定申告書類の作成
売上や経費、現金預金の動きなどの経理データは、日々の取引入力で完了しているため、あとは画面にしたがって確定申告に必要な情報を入力していけば、簡単に確定申告書類が作成可能です。所得額や控除額は、自動で計算されます。
自宅と職場が同じ場合には、通信費や水道光熱費などの一部を経費として計上できますが、「やよいの青色申告オンライン」は「家事按分」にも対応しているため、事業割合を入力するだけで経費の計上額が算出できます。
確定申告書の電子申告(e-Tax利用)
作成した確定申告書類は、税務署に持参や郵送することなく、そのままe-Taxを利用して電子申告が可能です。e-Taxソフトを単体で使用した場合よりも、操作が簡略化されているため、初めての確定申告でもスムーズに手続きできます。
e-Taxによる電子申告をしますので、青色申告の最大額となる65万円の控除が受けられます。
(やよいの青色申告オンラインで確定申告書類を作成し、税務署に持参・郵送した場合には55万円の控除)
やよいの青色申告オンラインの契約プランの変更と解約(データの取り扱い注意)
契約プランの変更と解約は、いずれもソフトを立ち上げた後に開くトップページから手続き可能です。右上のはてなマークをクリックすると、「契約内容の確認・変更」メニューが表示されます。
やよいの青色申告オンラインのプラン変更
プラン変更では、上位プランへの変更か下位プランへの変更かにより、申込可能時期と適用のタイミングが異なりますので注意が必要です。
上位プランへの変更
上位プランへの変更はいつでも申込可能(※)で、新しいプランが即時適用されます。年の途中で変更した場合には、契約更新月までの差額を支払うことになります。
※契約終了月は変更できないことがあるため、その場合には契約終了月の前月末まで、または契約終了月の翌月1日以降に変更手続きを行いましょう。
下位プランへの変更
下位プランへの変更は、契約終了月の前月末までに申し込みを行う必要があります。現在のプランの契約が終了後に、新しいプランが適用されます。
やよいの青色申告オンラインの解約(データの取り扱い注意)
解約する場合には、「契約内容の確認・変更」メニューを選択した後、「契約一覧」に表示されている「やよいの青色申告オンライン」をクリックして、「有償契約を継続停止する」のボタンをクリックします。続いて、基本プランの選択画面が表示されますので、「無料」を選択すると次回の有償契約の更新が停止されます。
なお、契約期間終了後は、マイポータルにログインできなくなりますので、「やよいの青色申告オンライン」の一切の機能が利用できません。必要な帳簿類は契約期間中にすべて保存しておきましょう。
また解約には、手続きを行った日で契約を終了する即時解約の方法もありますが、手続き完了と同時にこれまでの会計データすべてが利用できなくなるため、特別な事情がない限りおすすめしません。
やよいの青色申告オンラインと他社ソフトの機能・年間料金比較
「やよいの青色申告オンライン」と同様に「クラウド型」で、確定申告書類の作成とe-Taxによる電子申告が行えるソフトに「マネーフォワード クラウド確定申告」と「freee会計」がありますので、機能と年間の料金を比較していきます。
比較条件:個人事業主・フリーランス向けで、日常の経理処理・確定申告まで行えるプラン、年額プラン
機能 / サービス名 | やよいの青色申告オンライン | マネーフォワード クラウド確定申告 | freee会計 |
---|---|---|---|
プラン | セルフプラン | パーソナル プラン | スタンダードプラン |
年間料金(初年度) | 1年間無料※ | 16,896円 | 26,136円 |
年間料金(次年度以降) | 9,680円 | 16,896円 | 26,136円 |
確定申告書類の作成 | 〇 | 〇 | 〇 |
e-Taxによる電子申告 | 〇 | 〇 | 〇 |
金融機関と連携した自動仕訳 | 〇 | 〇 | 〇 |
紙の領収書から自動仕訳 | 〇 | ✕ | 〇 |
各種分析資料 | 〇 | 〇 | 〇 |
スマホアプリの利用 | 〇 | 〇 | 〇 |
請求書・見積書・納品書の作成 | ✕ | 〇 | 〇 |
消費税申告書類の作成 | 〇 | 〇 | 〇 |
- サポート - | |||
WebFAQ | 〇 | 〇 | 〇 |
チャット・メールサポート(操作関連) | ✕ | 〇 | 〇 |
電話サポート(操作関連) | ✕ | ✕ | ✕ |
電話サポート(操作・経理申告関連) | ✕ | ✕ | ✕ |
向いている方 | 簿記会計の基礎知識があり、料金を抑えつつ、確定申告に必要な手続きを効率的に済ませたい方 | 確定申告に加え、別途料金で経費精算・給与計算などのバックオフィス業務サービスも利用したい方 | 利用料金は若干高めですが、簿記会計の理解よりも、とにかく簡単に確定申告作業を済ませたい方 |
※「やよいの青色申告オンライン」の初年度の料金は、2024年3月15日までの申し込み分に適用。
電話サポート(操作関連)を利用したい場合、各ソフトそれぞれ以下のプランから対応しています。
・やよいの青色申告オンライン:プラン名「ベーシックプラン」、年額15,180円(税込)
・マネーフォワード クラウド確定申告:プラン名「パーソナルプラス プラン」、年額39,336円(税込)
・freee会計:プラン名「プレミアム プラン」、年額43,780円(税込)
マネーフォワード クラウド確定申告
「マネーフォワード クラウド確定申告」は、株式会社マネーフォワードが提供する確定申告ソフトで、金融関連の自動連携数が国内No.1の3,600以上となっており、自動仕訳の面で強みを持っています。青色申告に加え白色申告にも対応しています。またバックオフィス関連業務で連携できるサービスが多く、別途料金が必要になりますが、従業員がいる場合の経費精算・給与計算・年末調整・勤怠などの集計を依頼できます。
個人事業主・フリーランス向けの「パーソナル プラン」(年払い16,896円・月払い1,848円:税込)は、消費税申告書の作成・電子申告にも対応しており、またチャットやメールでソフトの操作に関するサポートを受けられます。
1ヶ月の無料トライアル期間が設けられていますので、本申し込みの前に操作性を確認することが可能です。
freee会計
「freee会計」は、freee株式会社が提供する確定申告ソフトで、パソコンを使わずスマホアプリだけで申告を完結できる手軽さが魅力です。操作が直感的でわかりやすいため、簿記に関する知識や会計ソフトの操作経験がなくても、日々の経理処理・確定申告書の作成をスムーズに行えます。また「開業届」や「青色申告承認申請書」の作成・提出ができる「freee開業」、請求書の作成・取引先のインボイス登録状況が管理できる「freee請求書」のサービスが無料で利用できます。
個人事業主・フリーランス向けの「スタンダードプラン」(年払い26,136円・月払い2,948円:税込)では、自動仕訳を利用した取引の入力や確定申告書類の電子申告、消費税申告まで対応し、チャットやメールのサポートもサービスに含まれています。
なお、最安の「スタータープラン」(年払い12,936円・月払い1,628円:税込)でも、チャット・メールサポートがありますが、紙の領収書をスマホで読み込んで自動仕訳を行う機能は月5枚までと制限されており、また分析機能も利用できないため、副業の場合などで必要最低限の機能で確定申告を済ませたい方向けのプランになっています。
IT導入補助金の対象製品のため、確定申告を行った実績のある個人事業主(前年の納税証明書が用意可能)であれば、導入費用の最大3/4を補助してもらえる可能性があります。
(参考)IT導入補助金とは
https://it-shien.smrj.go.jp/about/
1ヶ月の無料トライアル期間で、操作性を確認可能です。
年間の料金比較では、やよいの青色申告オンラインがもっともおすすめ
ここまで3社の確定申告ソフトを比較しましたが、初年度・次年度以降の料金の安さは「やよいの青色申告オンライン」が他社を圧倒しています。
特に開業初年度ではじめて確定申告をする方にとっては、1年間無料(もしくは半額)で利用できる点は大きなメリットといえるでしょう。
やよいの青色申告オンラインでさくっと確定申告│料金・他社ソフト比較(まとめ)
やよいの青色申告オンラインの機能・料金・使い方・他社製品との比較について解説しました。
同ソフトを利用すれば、日々の経理作業を効率化できるとともに確定申告書の提出をオンラインで簡単に完結できます。さまざまな類似サービスが提供されていますが、初年度無料もしくは半額で利用できる点は大きなメリットといえるでしょう。当記事を参考に利用料金を抑えつつ確定申告業務の負荷を減らし、ぜひ本業に集中できる環境を整えてください。